DEFECT HANDLING
歯の欠損治療
歯が抜けたままにしていませんか?
むし歯や歯周病によって失った歯を補うのが欠損治療です。ブリッジや入れ歯などから、ライフスタイルにあった治療をご提案します。
歯を失ったまま放置すると、残った歯に負担がかかって次々に歯を失う原因になります。「1本だけだから」と放置せずに、必ずご相談ください。
義歯(入れ歯)治療とは
義歯(入れ歯)に対して、あなたはどのようなイメージをお持ちでしょうか。老化の象徴と、とらえてしまってはいないでしょうか。
歯の健康は、私たちが思っている以上に、日常の生活に密接に結びつき、その生活の質を大きく左右します。
入れ歯の治療を行うことで、噛み合わせがよくなり、しっかりと咀嚼をできるようになった結果、口の運動につながり、おしゃべりもできて生活に活気が出たという例は少なくないのです。
特に噛み合わせについては、食べる楽しみが増えるだけでなく、認知症治療にも好影響があると言われています。
料金はそれなりにかかってしまいますが、それ以上に、使う方やその家族の方の健康と幸せに貢献してくれると言えるでしょう。
総入れ歯と部分入れ歯
総入れ歯
大部分の歯が失われた場合に用いるタイプです。総入れ歯は吸盤のように口の中で密着します。
「総入れ歯には違和感がある」というイメージをお持ちの方もいますが、現在の総入れ歯は大変精巧になっていて違和感なく噛むことができ、食事も問題なく楽しむことが出来ます。
部分入れ歯
1本~数本の歯を失った場合に受ける治療で、主にブリッジ治療を避けたい場合に用います。また上下ともに健康な歯が1本でも残っていることが条件となります。
取り外し式の部分入れ歯を歯肉の上に直接置き、周囲の歯にクラスプ(金属のバネ)で固定して噛めるようにします。
噛むことと認知症の関係
咀嚼(口の中で食べ物をよくかみ砕き、味わうこと)は脳を刺激するため、認知症との関連性があるのではないかと考えられています。
そして、認知症が進んでいる高齢者は、合っていない義歯を使用していたり、流動食に頼っている場合が多いようです。
実際、義歯の噛み合わせを直し、きちんと噛んで食事をする習慣が戻ったところ、認知症の症状が改善したという報告は少なくありません。
しっかり噛むためには自分自身の歯を残すことが理想ですが、次善策として義歯をしっかりと調節することも大切です。
義歯(入れ歯)の種類
レジン床義歯(保険適応)
レジン床義歯はレジンと呼ばれるプラスチックでできた一般的な入れ歯のことをいいます。
保険適応のため、できるだけ費用を安く抑えたいと考えている方におすすめです。
入れ歯にも様々な種類があり、自由診療のものは快適な使い心地が期待できますが、保険適応でも噛むという観点からは問題のない仕上がりとなります。
金属床義歯(自費治療)
金属床義歯とは、主要部分が金属で作られた入れ歯を指します。
メリットとしては、プラスチックの物よりも強度が高いため薄く作る事ができ、装着時の違和感が少なく、舌の動きを邪魔しないので話しにくくなる事もありません。
また、食事の際温かい物を食べると温度を感じ美味しく食べられるという特徴があります。
デメリットとしては、保険適応のものに比べてかかる費用が高額になるという事と、使用する金属によっては金属アレルギーを引き起こす場合があることが挙げられます。
ノンクラスプ義歯(自費治療)
通常の部分入れ歯は金属製のバネ状の止め具で保持していますが、健康な歯を削る必要がありました。
また金属アレルギーのある方には使用できず、口を開いたときに金属の部分が見えるなどの難点がありました。
その点、ノンクラスプ義歯はプラスチック製の義歯床(人工歯の土台で見た目は歯茎)を使用しているため、健康な歯を削ることもなく、安心して使用することができます。
審美的にも大変優れており、口元に自信が持てるようになります。
義歯(入れ歯)の清掃について
歯にプラークが付着し、しばらくすると歯石ができるように、入れ歯にもプラークや歯石が付着します。
入れ歯を掃除しないと歯間に食べかすがたまり、細菌が繁殖しやすくなります。
入れ歯の清掃ポイント
①食後は流水で汚れを落とし、歯磨き剤は付けずにブラシで磨く。
②就寝前は洗浄剤を使用した水につけておく。
入れ歯を磨く時は、よく観察し磨き残しのないように丁寧にお手入れするように心がけましょう。
義歯(入れ歯)のよくある質問
Q.寝るときは、入れ歯は入れたままでよいですか?
入れ歯は必ず就寝前に外してください。外すことで入れ歯の下の粘膜(歯茎)を休ませてあげることができます。
また、小さい入れ歯は就寝中に誤飲の危険もあるので注意が必要です。
通常、お休みになる前には入れ歯を外し、水や洗浄剤につけるようにして下さい。
Q.入れ歯になると味が変わりますか?
甘いや塩辛いなどの味覚は主に舌にある味蕾(みらい)で感じます。
味は「臭い、温度、舌触り、歯ごたえ」など色々な要素が関係するので、入れ歯に慣れるまでの間は食事がおいしくないと感じることもあると思います。
できるだけ薄くてぴったりフィットし、熱の伝わりやすい入れ歯を選ぶことが「美味しく食事を頂く」秘訣です。
Q.入れ歯は何年ぐらいで作り変えたほうが良いですか?
歯茎や顎の骨、支えになっている歯や、噛み合わせの変化などによって異なります。
合わなくなった入れ歯を使い続けるのは粘膜、骨、関節、筋肉などに悪影響を与えます。
やはり入れ歯も定期的に検査を行い、違和感の少ない状態でご使用になることをお勧めします。
Q.入れ歯を入れると話しにくくなりませんか?
入れ歯は初めて装着したときはどなたでも違和感があります。
大きさや形にもよりますが発音しにくくなることもあります。
違和感の少ない義歯や人工歯根(インプラント)による治療を希望する患者さんも増えています。
ブリッジによる治療
ブリッジは、歯を失った本数が少ない場合に用いられる治療方法です。
喪失歯の両隣に残っている歯を削って土台を作り、そこに橋を架けるように人工歯を被せます。
ブリッジは材料などの条件によっては保険診療内で作ることが可能で、違和感も少なく自分の歯のように噛むことができます。
また、両隣の歯に固定するので部分入れ歯より安定性が高く異物感が少ないというメリットがあります。
ただし両隣の歯を削り土台とするため土台の歯に負担が掛かり、メンテナンスをしっかりしないと土台の歯がむし歯になってしまうデメリットもあります。
治療で主に使う材料
コンポジットレジン
コンポジットレジンとは、セラミック粒子と合成樹脂を合わせた白いプラスチック素材のことです。見える部分は白いコンポジットレジンで、目立ちにくくなっている特徴がありますが、保険適用外の素材と比べて、色合いが選べない、着色しやすいなどの短所もあります。
セラミック
セラミックは汚れがつきにくいためむし歯の再発リスクを抑えることができます。強度も強く材料で、見た目も自然な色調で回復することができます。また、金属アレルギーの方も安心して治療できることも大きな利点です。
ジルコニア
ジルコニアは金属アレルギーの心配がなく、噛み合わせが強い奥歯や歯ぎしり・食いしばりがある人に使用しても、割れる心配はほとんどありません。もちろん、前歯にも使用できるので、汎用性に優れた素材と言えます。
ジルコニアは、色調により使用する材料、作製方法が異なります。
- 単色
あらかじめ指定された色のセラミックスのブロックを削り出して作製します。
色が単調で天然歯とは色調が異なるため、目立ちにくい奥歯の治療に使用されます。 - マルチレイヤー
複数の色の層でグラデーションを付けたセラミックスのブロックを削って作製します。
前歯などでも特殊な色調でなければ、単色に比べて自然な見た目を回復することができます。 - レイヤリング
ジルコニアに色調の調整が可能な陶材を盛りつけて作製します。
細かな色の調整が可能なため、前歯などの目立つ箇所や特殊な色調でも自然な見た目を回復することができます。
ケアグッズ紹介
義歯用ハブラシ
義歯(入れ歯)を清掃するための専用ブラシです。汚れがたまりやすい義歯の粘膜面の溝、歯間部、クラスプ(バネ)などを効率よく清掃することができます。
フレッシュクレンズ
歯ぎしりから歯を保護するマウスピースや入れ歯を清潔に保つための洗浄剤です。義歯やマウスピースを傷めずに清潔にすることができます。
ピカ
肺炎の原因にもなるカンジダ菌の溶菌作用がある入れ歯洗浄剤です。不快な汚れと臭いを取り除き、入れ歯と口腔内を清潔に保ちます。
患者さんへのお願い
抜歯を伴う治療の場合、抜歯窩(抜歯したあと)が回復するまで仮歯で過ごしていただく期間があります。
仮歯のまま治療を中断すると、再治療になり最初からやり直しが必要になるおそれがあります。必ず最後まで治療を継続していただくよう、よろしくお願いします。